「ハネパン」再発売! (Meshwing for Athletes)
「ムレない、ブレない、気にならない」をコンセプトに作った製品がある大手メーカーに見初められるもベンチャー企業の熱意に負け、大手を断り独占契約。
雑誌に掲載されプチブレイクするも次第に売上は低下。そして、ベンチャー企業も。。。生産、販売を中止。在庫処分でプロ格闘家に送ったところ、やっとよさを理解していただける方々が現れ・・・
私自身、ベストな1枚と思っている製品復活秘話をよろしければ・・・
メッシュのハネパンの話
開発の経緯
メッシュのハネパンはスポーツメーカーさんに見初められたのがきっかけ。ただし、別形状の製品。この製品は2010年秋、展示会に出展。ある雑誌の記者さんに差し上げたサンプルを気に入っていただき、雑誌のとんでもなく大きな誌面に取り上げられた製品です。
スポーツメーカーさんから量販店に売り込みをかけたい意向を聞き、スポーツ用にアレンジ、作ったのがセミロングタイプのハネパン。その際、同時に「メッシュのハネパン」も開発していました。しかし、当時の代理店さんの意向でセミロングタイプの製品を中心に販売していました。
それから、しばらく経って
メッシュのハネパン開発からしばらく経って、雑誌社から連絡が届きました。おおよその内容は、「来月発売号で男性下着特集があり、製品を送って欲しいとのこと。ただし、今回の特集は各メーカーから送られた製品を試着して掲載が決まる。掲載できない場合もある」とのこと。依頼を承諾し、メッシュのハネパンを発送したのでした。
数週間後、雑誌校正の依頼メールが届きました。添付ファイルには校正のために原稿が添付されていました。
ほぼ1ページの雑誌掲載
添付ファイルを開くとそこには大きな誌面。プリントアウトしてみると1ページくらいあるような気がします。。。零細メーカーの開発製品が大手雑誌社の男性下着特集でこんなに大きく掲載されることってあるんだろうか???
約2週間後、雑誌社から掲載雑誌が届き、誌面を確認すると、男性下着特集の1ページほぼ全段掲載。しかも特集は約8ページ、掲載アイテムは何十種類もある記事です。その中、全段掲載の商品はなんと3商品のみ!その一つがメッシュのハネパンだったのです!
販売好調と販売不振
雑誌掲載の影響でネット通販では販売が急激に伸びます。問い合わせの電話も結構来ました。男性のみならず、女性からも。しかし、しばらくすると、ネットモール大手1社の販売が急に止まりました。
原因を調べてみると、そのネットモールのレビューが星1つ。理由は、雑誌の下着特集に掲載されたため、いわゆる肌着としてとらえられてのレビュー。アスリート向けが伝わっていない。肌着としてご利用いただいている方も多数いらっしゃいます(言い訳)。
取引先が・・・そして・・・
もともと大手スポーツメーカーさんとの契約が内定していました。同時に「独占販売契約を!!」と猛烈に誘いを受けていたベンチャー企業さんがありました。その熱意に負け、一緒に大手スポーツメーカーに断りを入れ、その企業さんと独占契約をしました。上記冒頭の代理店さんです。しかし、その企業さんが突然の事実上廃業。。。
弊社はほぼ一人ですべてをこなす零細肌着メーカー。自信も失い、巨大メーカーひしめくスポーツ業界での販売継続は困難だと判断し、ついに、発売を中止せざるを得ませんでした。
復活はチャンピオンの声
もともと弊社製品を着用いただいていたのが格闘技団体パンクラスの砂辺光久選手。弊社製品を練習、試合でインナーパンツとして着用いただき、時にはモニターとして、良い、悪いをはっきり言っていただいていました。生地は「これは薄すぎてダメ」。ウエストゴムも「MMAには不向き。あのゴムも締め付けすぎる」といったように。
しかし、メッシュのハネパンについては直後から、「すその長さもよく、ゴムもちょうどいい。生地は耐久性があり、今までで一番良い」と言っていただいておりました。
そんな砂辺選手に発売中止を告げられず、ある意味、在庫処分のような形で手元にあった在庫を多めにお送りさせていただきました。すると、その際、砂辺選手が気を利かせてくれ、一緒に練習するファイター達にも配っていただけたのです。すると、TVや雑誌で見るような有名選手達から「良いので追加が欲しい」と連絡を相次いでいただけたのです。学生時代から衛星TVを契約するほど格闘技好きだった私にとって、失った自信を取り戻すには大きすぎる方々からの連絡でした。自分の作った製品が一流選手が選んで使っていただけている!砂辺選手に着用いただいた際にも同じ思いを抱いていましたが、その気持ちをあらためて取り戻せました。
以後、格闘技をより"近く"で見させていただくようになりました。そして、ファンや関係者の見守る中、勝者がいて、敗者がいるいわば過酷な”職場”です。勝者はもちろん、敗者もなお、自らを研鑽し、前へ進む姿を見て、尊敬の念を抱かずにはいられません。そんなファイターたちの一助になるとはこれっぽっちも思っていません。しかし、自分がユーザーの立場でゼロから作った製品が、そうした方々、また格闘技が好きな方、スポーツが好きな方など一人でも多くの方々に着用いただければ幸いに存じます。(長々とスミマセン!)